BuddyOptical
岡山眼鏡店10周年別注モデル
CU Olive 10TH
¥52,800 (TAX IN)
約10年前に発表されたCUは、ややオーバルに寄せたボストンシェイプ。BuddyOpticalが大切にしている「日常の相棒になりうる眼鏡」にリスペクトを表し、日本人の肌との相性、デイリーのコーディネートでの合わせやすさ、長時間の着用でも疲れにくい掛けやすさを実現するため、ほどよいクリア感とカラーに深みのあるダイセル社製クリアダークカーキのアセテートを採用しました。
10 Questions デザイナーへ10の質問
10 Questions
池原玄氏 Designer
岡山眼鏡店の印象は?
岡山眼鏡店は、非常にクオリティの高いブランドがこれだけ集まる、稀有な存在だと思います。そのような勢いのある場に参加させていただけたことを光栄に思います。成熟したブランドが揃う中で、Buddy Opticalの立ち位置を確立するのは簡単ではありませんが、だからこそ今後の伸び代に期待していただき、より深いお付き合いができればと思っています。
ブランドを始めたきっかけは?
きっかけは色々あるんですが、まず、自分自身が眼鏡を必要として掛け始めたことで、楽しさを見出したこと。さらに、親戚が眼鏡屋を営んでいたことも大きな影響を受けました。また、高校時代に古着が好きで訪れたお店で、デザイナーの来店イベントが行われていた際に、「こういった職業があるのか」と知り、ファッションとプロダクトの中間にあるものとして眼鏡の可能性を感じたことも理由の一つです。母親が看護師だったこともあり、眼科的な要素にも少なからず興味がありました。ファッションと専門的な眼鏡の世界を結びつける仕事は、なんとなく「自分に向いているのではないか、ちょうどいいのではないか」という気がしたんです。
仕事は人生の多くの時間を占めるものです。だからこそ、好きなものに囲まれた環境で働くことは自分にとって幸せであり、周囲にも良い影響を与えられるのではないかと思いました。運よくこの道を歩めているのは、ある意味「こうするしかなかった」ところもあるかもしれません。思い込みって大事なんです。
デザインやテーマの発想源は?
デザインをする際は、テーマを設定し、それに沿ってアイデアを引き出し、組み立てていきます。眼鏡は一般の方にとって文脈が見えにくいプロダクトであり、デザインも「なんとなく似合うかどうか」で決めてしまいがちだと思います。そんな中、できれば文脈のあるものを作りたいと思って最初に手掛けたのが「フィールカレッジ」というコレクション。大学をテーマに、これまで趣味として学んできた各年代のアイウェアデザインのイメージを反映し、大学ごとの印象をデザインに落とし込んでいきました。このようなアプローチが現在のデザインにも繋がっています。
また、SS認定眼鏡士を取得していたこともあってか、自分がデザインするとなるとすごくエッジの効いたものにはならなくて。ただ、ずっと大切にしていることは掛けやすいということですね。掛け心地もそうですし、顔に乗ったときにその人に似合いやすいとか。
影響を受けた作品や人はいますか?
答えにならないかもしれないですが、自分が今までに見たもの全部に影響を受けてると思います。それが映画や書籍であることもありますし、落ち葉や日常の風景であることもあります。特定のアーティストや作品だけに影響を受けているわけではなく、今まで育ってきて出会ったものや、全ての経験がデザインに反映されていると思います。
大変なときはどんなとき?
資金繰りです(笑)。ほかのメーカーさんと比べてかなり小さい企業というのもありますし、受注生産のような仕組みを採用すれば楽だとは思いますが、在庫を抱えるブランド運営は思っている以上に難しい部分がありますね。
これからの展望は?
自分個人としては、もし何でもできるとしたら、純喫茶を作りたいです。始発待ちの人が朝まで過ごせるような、ジャズ喫茶のような場所で、緊張感を持ちながらも心地よい空間を提供できる場。
また、BuddyOpticalとしては、直営店をたくさん出店したり、東京のいい場所にお店を出したり、そういう意味での野望はなくて、どちらかというと「特別ではないけれど、当たり前にそこにある存在」になれればと思っています。Levi’sやConverseのように、生活の一部に当たり前にBuddyOptical がある。そんな風に定番であり続けたいというのが僕の願いです。
尊敬する人は?
自分の知らない知識を持っていて、それが悪事に関わるものでなければ、その人を尊敬します。
モチベーション
いろんな落ち込み方があって、それによっても違いますよね。デザインに行き詰まったときは、一旦すべてを手放して「何もしない」ことが大切だと思っています。一回空の状態にしっかり戻すことが、やっぱり大事だと思います。
マイルール
「関わる全員が納得し、幸せでいられる状態」を目指すことを大切にしています。例えば、生産者・デザイン側・お客様がいたとして、誰かが損をするような形にはしたくありません。公にして言ってはいないですが、全員が納得し、全員が継続して続けていける状態にしていくのが、自分の中ではマイルールと言えるかもしれません。
お客様に伝えたいことは?
Buddy Opticalを選んでいただき、本当にありがとうございます。ぜひまた選んでいただけると嬉しいです。
ひとりの人が眼鏡を着用する、又は着用しない理由は様々です。前者では視力の補正の為、服装のコーディネイトの為、紫外線の防止…。後者ではそもそも視力は悪くない、コンタクトで間に合っている、わずらわしいetc…。この様にそれぞれに理由は様々で、どの選択も一個人の最良の判断のもと選択されたものと思われ、私たち眼鏡に携わる人々は誰もそれらを強要することは出来ません(医療的な判断を除いては)。
私たち眼鏡を生業とする人々が共通して願う事は、眼鏡を着用する人口の増加です。その為には眼鏡がもっと身近な存在になる事が必要です。それは「気心の知れた仲間や、相棒の様な存在」である事。そしてライフスタイルの中に自然とある「ワードローブ」の様な存在である事。私たちは早速、これらの条件を満たす最良のレンズの選定・フレームデザインを考え始め、眼鏡の生産に取り掛かりました。
そして、それらの眼鏡を「BuddyOptical」と名付けました。〈Buddy〉とは英語で親友や相棒を意味し、戦友の様なとても近しい存在を表します。また眼鏡をかけて人前に出る事が美徳とはされなかった時代に、そういった人々の意識を一気に変えさせた偉大なるミュージシャンのイメージを反映したものです。誰もがこの眼鏡に親しみを持ち、そしてクールでいられるように。