アイヴァンのすべて ALL ABOUT EYEVAN|岡山眼鏡店
2018.08.07 / EYEVAN アイヴァン
EYEVANのすべて
1972年、〝着るメガネ〟というコンセプトのもと、
EYEVANは日本初のファッションアイウェアブランドとして生まれました。
日本の粋と静謐なカルチャーから表現したデザインと、
世界にも誇る精密なクラフトマンシップを根底に、
ファッションアイテムとして身につける楽しさへの思いを注いだプロダクトは、
1985年にロサンゼルスにある一軒のアイウェアショップの審美眼によって海を越えてゆくことになります。
それから四半世紀以上経った今、
これまでに培ってきた数多の経験と実績を胸に刻み、
日本のマイスターたちの手による最新技術と新たな装いをまとい、
ここによみがえりました。
本書では、当時のEYEVANを知るパイオニアたちの証言をはじめ、
過去のアートワークやプロダクト制作の裏側、
復刻したプロダクトまで、
創設当時~現在を明かす、EYEVANのすべてを収めています。
EYEVANの軌跡
1972 山本防塵眼鏡㈱が㈱アイヴァンを設立。石津謙介氏主宰のファッションブランド〈ヴァン ジャケット〉の〝着るメガネ〟をコンセプトに、アイウェアブランド〈EYEVAN〉がスタート。一般メガネフレームに進出する。
1976 〈EYEVAN〉が主催して、メガネ販売店への啓蒙活動として「アイヴァンファッションセミナー」の開催を始める。
1980 山本防塵眼鏡㈱、社名を山本光学㈱に改称。
1985 山本光学㈱、眼鏡事業を本社に統合。㈱アイヴァンを吸収するとともに、福井県鯖江市を本社にオプテックジャパン㈱を設立して一般メガネフレームおよびサングラスに製造に着手。
1985 米・アナハイムで開催されたオプティフェアウェストに出展した〈EYEVAN〉が、ロサンゼルスのメガネ店「オリバーピープルズ」の目に留まり、アメリカでの展開を開始。
1989 米・ロサンゼルスのオリバーピープルズ社とメガネの製造、販売ライセンス契約を締結。
1992 米のカルチャー誌『ピープル』で〈EYEVAN〉を身につけているマドンナの姿が取り上げられるなど、数多くの海外セレブたちが〈EYEVAN〉を愛用する。
1995 東京・青山に「オリバーピープルズ東京ギャラリー」をオープン。
1998 山本光学グループの組織改組に伴い、オプテックジャパン㈱は山本光学㈱から経営分社したうえで分離独立。
2003 アイウェアブランド〈EYEVAN〉の展開を一時休止する。
2007 六本木・東京ミッドタウンにアイウェアのセレクトショップ「EYEVAN 東京ミッドタウン店」をオープン。
2013 〈EYEVAN〉の意志を継ぎ、ファッションとプロダクトを融合させたアイウェアブランド〈EYEVAN 7285〉をローンチ。
2013 〈EYEVAN 7285〉がパリの「コレット」やニューヨークの「バーグドルフ グッドマン」といった海外のセレクトショップから取扱いの依頼を受け、国内外で注目を浴びる。
2013 山本哲司代表取締役社長が取締役会長に就任。山本典之代表取締役専務が代表取締役社長に就任。
2017 東京・青山に〈EYEVAN 7285〉の旗艦店「EYEVAN 7285 TOKYO」をオープン。
2017 〝美しい道具〟をコンセプトに、10種の特別なパーツで構成されたアイウェアブランド〈10 eyevan〉をローンチ。
2017 ファッション性と機能性を融合させたライフスタイル・アイウェアブランド〈Eyevol〉をローンチ。東京・青山に旗艦店「Eyevol Tokyo Store」をオープン。
2018 アイウェアブランド〈EYEVAN〉が復活、新たにリローンチ。カプセルコレクションを発表。
1985年、ロサンゼルスの一軒のアイウェアショップが初期のプロダクトを買いつけたことが大きな契機となり、〈EYEVAN〉は世界に拡張していった。
Two legends that know EYEVAN of the 1980s
80年代当時のEYEVANを知る2人のパイオニア
Interview with Kenny Schwartz
1986年、ロサンゼルスに一軒のアイウェアショップがオープンしました。
「オリバーピープルズ」。今ではアイウェアブランドとしてその名を耳にしたことがある人も多いと思いますが、当時の〈EYEVAN〉にいち早く着手し、バイイングと世界でのプロモーションにも一役買ったのが、この同名のショップなのです。
その創設メンバーで、当時のマーチャンダイズディレクターを担当していたケニー・シュワルツ。
初期の〈EYEVAN〉を知る貴重な生き証人であるケニーが居を構えるカリフォルニアのマンハッタンビーチを訪れました。
80年代中盤、オリバーピープルズを形作る
幸運なことに、私は1976年に自分のショップをオープンすることができた。ロサンゼルスのイーグル・ロックという場所だ。当時の私たちは、アイウェア産業に流入してきた多くの新しい技術を用いて新たな道を拓く最前線にいたんだよ。そういう変革を目の当たりにすることは、私にとってビジネスを始めるチャンスでもあった。
「オリバーピープルズ」の店は、ロサンゼルスにまったく新しいタイプのメガネを販売する小売店をつくりたいという私のアイデアから来たものだ。1984年に、サンセット・プラザに場所が空き、私たちはそこでショップを開く準備を始めたんだ。そのときはとてもワクワクしたよ。
アイウェアの変遷を目の当たりにしていた私たちは、自分たちは好機に恵まれ、かつ熱心な顧客がついていると感じていた。サンセットストリップは非常にアイコニックな場所で、当時は多くのハリウッドスターたちがそこにやってきて、散歩するにも買い物をするにも最高の場所だった。1986年にショップをオープンすることになって、興奮したよ。そこは「オリバーピープルズ」の名を冠し、さらにその旗艦店にもなる予定だったからね。
EYEVANを発掘した着眼点
「オリバーピープルズ」のショップをオープンする直前だったにもかかわらず、まだ自分たちがどんなデザインを売っていきたいのかということを本当に理解してはいなかった。ショップにヴィンテージのフレームを並べることもできたんだ。ショップにヴィンテージのフレームを並べることもできたんだ。今でも私はヴィンテージフレームの熱心なコレクターだが、私たちは完全にオリジナルのものを作りたかった。自分たちの経験を活かして〈オリバーピープルズ〉のために何か特別でユニークなものを作るには、他とまったく違う方法を探さなければならなかった。アナハイムで開催されていたアイウェアの展示会に出かけ、初めて〈EYEVAN〉を目にしたのは、そんなときのことだった。
〈EYEVAN〉がやっていることを見たとき、ここに繋がりがあると気づいた。彼らが作っていたフレームは、私たちとパーフェクトに繋がるものだった。かつてない方法でリデザインされたヴィンテージアイウェアを核とするショップをつくり、かつてないアプローチでそのプロダクトをファッション界に提供していったんだ。
グローバルブランドとしてのEYEVAN
もし〈EYEVAN〉の名を拡げる手助けをするなら、本当に正しいブランドイメージでそれを表現しなければならないと思ったんだ。〈EYEVAN〉とオプテックジャパンの山本哲司社長(※現会長)もまた、私たちの方向性に多大な影響を与えた。彼はとても流行に敏感な人物だったからね。とてもファッションが好きだとわかる服を着ていたし、常に最先端のファッションの話をしていた。だから私たちは、すべてをハイファッションの観点から行うことに決めたんだよ。ファッションショーのランウェイで目にするようなもの、『ヴォーグ』誌で目にするようなものさ。
サンセットストリートのショップでは、衣装デザイナーや映画会社のスタッフがやってきて、ピンポイントな注文をしていくことがよくあった。例えば、ハリウッドの魅力をテーマにした映画の衣装デザイナーが来店して、その映画の題材に合ったフレームを探すこともある。ぴったりのフレームがないこともよくあったけれど、〈EYEVAN〉とのコネクションを通しての制作を提案することもできたんだ。作ったフレームをショップに置くこともできたけど、〈オリバーピープルズ〉のブランド名で売ることはできなかった。ヴィンテージコレクションとして考えていたからね。ショップで売り、プロモートし、さらに映画でも使ってもらう。そういう魅力的なコレクションとなるのは〈EYEVAN〉にとっても良いことだと私たちは考えたんだ。
私たちが考えたことのひとつに、オードリー・ヘップバーン風の美しくて大きなプラスチックフレームを復活させるというものがった。50年代から60年代にかけて、フランスで流行したスタイルだよ。そのころ、カンヌ映画祭の会場やカンヌ周辺を歩くときに美しい大ぶりのサングラスをかけていなかったらクールとはいえなかった。これは私たちがどんなふうに〈EYEVAN〉と仕事をし、コラボレートしたかという例えだよ。
オプテックジャパン社とともに
1985年当時、オプテックジャパン社(現アイヴァン社)との最初のコミュニケーション手段はテレックスだった。ファクスの普及は80年代後半だから、それもまだなかった。初めてファクスを手にしたときは、天国からやってきたもののように思えたけど、日本へ行ったり来たりすることのほうが、ずっと大切だった。手紙以外にデザインについてのコミュニケーションをはるか手段がなかったからね。毎年5回は日本を訪れたよ。
決定的な瞬間が訪れたのは、日本への2度目の出張のときだ。よく覚えているけど、山本哲司社長(※現会長)が『The Genius of Japanese Design』という本をプレゼントしてくれたんだよ。建築やファッション、文化や調理法など、いろいろな角度から日本のデザインを紹介したこの1冊は、私の目を開かせてくれた。当初、私たちはそういったものをまったく理解していなかったんだ。アイウェアに関するお互いの知識についてコミュニケーションしていく中で、私たちが彼らの文化を受け入れ、彼らもまた私たちの文化を受け入れる。双方にとって、これは渡ることが難しい橋のようなものだったんだ。
関係を深め、目標を実現するのには長い時間がかかった。1920~30年代に作られた機械時代のフレームから、1970~80年代になされたことまでが、私たちが個人的に影響を受けたものだ。これをすべてひとまとめにして、より素晴らしいものへと昇華させたかった。理解してもらうのは至難の業だったよ。なにしろ、彼ら側のことについて私たちが学ぶべきことはたくさんあったし、私たち側にことについて彼らが知ることもたくさんあったからね。
自分たちだけの方法を見つけなければならなかったし、成功のために学ぶべきことを知る必要もあったんだ。大きな旅だった。本当に大きな旅で、これからも続いていく。今再び〈EYEVAN〉のしていくことを見ると、大切な思い出がよみがえってくるよ。
EYEVANのプロダクト
1985年に、私たちは〈EYEVAN〉がまったく新しいスタイルを編み出したという事実に魅了された。〈EYEVAN〉はそのスタイルを、〝EYEVAN 0501〟のようなフレームを使て打ち出したんだよ。見た目はシンプルでベーシックなのに、とても複雑で。誰もこの技術でアイウェアをつくったことなどなかったんだ。メタルブリッジに、ビルトインのノーズアームパッドがついていてデザインを作り出したんだ。穴を開けてネジでつなぐことで、それを直接プラスチック製のリムに取りつけたのさ。こんなシンプルにこんなことをした者は、誰もいなかった。レンズまで穴を開けて、直接メタルブリッジに取りつけるのが一般的だからね。プラスチックにまで穴を開けるなんて、誰もしたことがなかった。この新しいデザインは、プラスチックの色合いから生み出される多くの可能性を引き出した。クリアカラーから黒まで、なんでも可能にしたんだ。それを目にしたときすぐ、同じコンセプトからほかのフレームを作るチャンスが広がり、まったく新しい世界が突如目の前に開けたんだ。
私たちは、その歴史とコレクションに日本のデザインカルチャーを落とし込んでいくアメリカ人のデザイナーであり職人だ。それはずっと変わらなかった。〈オリバーピープルズ〉はオーセンティックなアメリカのブランドだといえるが、そのブランドとプロダクトの哲学は『The Genius of Japanese Design』の考えから一度も離れたことがなかったんだ。
Profile
Kenny Schwartz ケニー・シュワルツ。
80年代半ば、米・ロサンゼルスのアイウェアショップ「オリバーピープルズ」のオープン時からマーチャンダイズディレクターなどを歴任。〈EYEVAN〉にいち早く目を付け、80年代後半当時から世界へと〈EYEVAN〉を認知させた時代の生き証人。
Two legends that know EYEVAN of the 1980s
80年代当時のEYEVANを知る2人のパイオニア
Interview with Dore Chodorow
80年代中盤、オリバーピープルズ創設当時の経営を担ったドーレ・チョドロー。
現在はロサンゼルス郊外の湖のほとりにひっそりと暮らす彼女に、〈EYEVAN〉との出会いについて尋ねました。
日本のものづくりを視野に入れた店づくり
私たちが〈オリバーピープルズ〉のショップをオープンする前に、弟のデニス(※デニス・レイト。〈オリバーピープルズ〉の創設メンバーのひとり。ドーレの実弟)がこう言いました。「ほかの誰よりもずっと進んだ、素晴らしいフレームを作っている人たちがいる。品質は優れていて、ほとんどが日本製なんだ。品質が本当に突出しているので、日本も視野に入れなければいけない」、と彼は言いました。そこでアイウェアの展示会に出かけて、日本のものづくりを調査したのですが、そこで〈EYEVAN〉に出会いました。そのブランドはまだ世界でその名を知られていませんでしたので、ひとつの美しいストーリーなったのです。
もしあなたがオプティシャンでしたら、そのフレームを手にしただけで品質の高さがわかると思います。質の高い優れたフレームは調整するのも扱いのも簡単なのですが、〈EYEVAN〉のフレームはまさにそういうものでした。ですから、この会社が素晴らしいということは明らかでした。これから出すプロダクトを一緒に作りたいと感じて、〈EYEVAN〉との仕事を始めましたのよ。それはすぐに素晴らしいパートナーシップになっていきましたわ。
世界のアイウェアの潮流を変えたプライド
〈EYEVAN〉は〈オリバーピープルズ〉とともに仕事ができるように、デザインチームをロサンゼルスに送り出しました。デビューコレクションとして、最初に〈オリバーピープルズ〉がデザインしたのは、EYEVAN〝0505〟と〝0506〟というフレームが原型です。シンプルに2つのデザインと5つのカラーでスタートしました。
その当時、すてきなフレームを作っているのはフランスとドイツでした。悲しいことに、そのころ質の高いハンドメイドのフレームを作っている会社はアメリカにはなかったのです。だから、品質と職人技は、私たちにとってとても大切でした。当初から私が引退するまで、そのプロダクトはずっと色褪せませんでした。私たち双方にとって品質は常に重要でしたので、〈EYEVAN〉とともに成し遂げた自分たちの仕事を誇らしく思いましたわ。
サンセットストリートにショップをオープンしたとき、〈EYEVAN〉のその2つのフレームとともに、ヴィンテージアイウェアの一大コレクションを並べました。私たちが販売していたのは、ジョン・レノンのようなヴィンテージ感のあるスタイルのメガネです。〈オリバーピープルズ〉のデザインチームが、30~40年代に作られたたくさんのオリジナルのヴィンテージフレームを買い付けたのです。アメリカでものづくりがされていた時代の素晴らしさを象徴するものですわ。
ショップをオープンした瞬間、たくさんのセレブやハリウッド映画界の関係者がショップを訪れ、すべてのアイウェアを買っていきました。すぐに私たちのプロダクトは、想像しうる限りの映画や雑誌の表紙を飾るようになりました。すると、もっと多くの人がショップを訪れ、私たちのプロダクトを欲しがるようになったのです。実際、私たちは世界におけるアイウェアの方向性を変えたと思っています。
Profile
Dore Chodorow ドーレ・チョドロー。
80年代半ば当初、米・ロサンゼルスのアイウェアカンパニー「オリバーピープルズ」の代表取締役を務めた。ケニーと並び、当時の〈EYEVAN〉を熟知する貴重な存在。
From the EYEVAN archives
1980s
MADONNA WITH EYEVAN
パーティー会場に現れたマドンナ
USA『ピープル』誌記事[JULY, 1992]

PRETTY BABY
ブルックスのホットなアクセサリー
USA『ピープル』誌記事[JULY, 1992]
「スリムなシールズは、肌を露出したスポーティなウェアに、今最もホットなアクセサリーとしての必需品、EYEVAN E-54のサングラスをかけてプレミアムショー会場からの帰り」と紹介されている。
ぐるりと稜線に囲まれた福井県・鯖江の街。
職人たちもこのどこかに仕事場を構え、メガネのどこかの部分を手がけている。
SABAE; The City of Craftmanship
EYEVANには福井県・鯖江の歴史と革新が息づいている
およそ100年前より積み重ねられてきた、メガネを作るという営み。
北陸によくある雪深い農村のひとつに過ぎなかったこの街は、
やがて世界にも類を見ない、熟達し更新されつづける技術の集積する土地となった。
メガネの街、福井県・鯖江。EYEVANの品質を支える職人たちがここにいる。
福井県鯖江市。今や世界がその名を知るメガネの街。メイド・イン・サバエ。この一言さえあれば、品質は間違いなくギャランティされる。ナポリのドレスシャツ、ノーザンプトンの革靴、アイラ島のモルトウィスキーにように、その場所と製品が分かちがたく結びついている。歴史、風土、伝統、職人、慣習、革新、矜持。たやすく手に入れることのできない、人手と手間と時間が、街のいたるところに折り重なり、それらが注ぎ込まれたものを作っている。名産地とはつまりそういうことだ。
EYEVANのメガネも、もちろんこの町のどこかで作り出される。かつて、1972年にVANの石津謙介とともに〝着るメガネ〟と掲げた設立当初の製品もそうだったし、85年にアメリカでオリバーピープルズに見出されたのも、そして2018年に再スタートした6型のカプセルコレクションもすべてそうだ。ぐるっと山々に囲まれた、南北に細長いこの鯖江の街の産。つまり品質に申し分なし。そう言い切るだけの背景がある。
「どのくらい滑らかになればいいか、数値の目標なんてありません。ちゃんとキレイになっているか。ちゃんとまっすぐ光っているか。それだけです。」
数台の研磨機が音を立てる小さな工場を訪れた。そのほかに聞こえるのは、年季の入ったスピーカーから流れるローカルラジオくらい。ここち持ち込まれる、さまざまなメーカーやブランドの金属パーツを黙々と磨く職人は、自身の仕事についてこう話す。過分に熱くも、冷めてもいなく、淡々と、今日の空模様を話すような具合。鯖江市内にいくつがある磨き専門の工場は、みんなだいたいそうだろうとも。ちょっと不思議ではある。現代の日本の眼鏡に使われる金属パーツは、剛性と軽量性に秀でたチタン合金が主流。加工や研磨が難しく、わずかな磨き残しやバリも、メッキ剥がれの原因となる。なのに、クオリティを担保するための数値がない。「ちゃんと光っている」という職人の平熱の感覚に委ねられている。
しかし、そこにこそ職人の街という鯖江の横顔も表れる。数字なんかよりも手触りや光方。あるいは、その後に加工されるメッキの美しい仕上がりを御覧じるべし。熟達した技術と感覚に、品質への裁量が委ねられているのだ。何万ロットという大資本を背景にした大量生産品ではこうもいかないが、職人の手を介して作られる工芸品なら、鯖江のメガネなら、数値よりも感覚が合理性と結びつくのだ。
職人たちの作業場や仕事道具は、どれもみな使い込まれ年季が入っている。
なかには三十代の職人もいるが、それでもキャリアは20年近く。
経験だけでは十分ではないが、仕事の糧にはなる。
「そのメガネを美しく作るのに必要だと判断すれば、新しい技術を考えるし、新しい加工機械も開発します」鯖江市内でも屈指の規模を誇るメタルフレームの工場がある。ここでは設計から金型作り、パーツの切り出し、磨き、プレス、溶接、ロウ付け、組み立てまで、メッキ加工以外のほとんどすべての工程を一貫して行っている。従業員は年齢も性別もまちまちの約80名。みなそれぞれが、未経験で入社し、いずれどこかの工程のスペシャリストとなる。
研磨の仕上げ(ガラ磨き)など機械化された工程も多いが、ブリッジや蝶番の組み立てなど、細かな作業はやはり手作業になる。メガネが工芸品たるゆえん。
そして、どれほど複雑で繊細な設計であっても、メガネであれば、ここで作り、組み立てることができると断言できる。日産1000枚。いずれも品質と美しさを売りにする、国内外の数多くのメーカーやブランドのメガネだ。EYEVANもそのひとつである。1931年の創業以来、たゆまず進化を遂げてきた、技術と生産ラインこそがそれを可能にしている。前提の「新しい加工機械の開発」もその一例だ。最新のものは、「カシメを入れるための機械」であるとか。蝶番を固定するために打たれる鋲を、従来ではただ打ち込んでいたのを、ねじ込むようにしたという。その仕上がりの差は、伝えられてようやく気づくほどわずか。常人ではたどり着けない美しさのために機会を作る。職人の街の工場でなければ、届かぬ境地だ。
組み立て工場には大小さまざまな機会が並ぶ。パーツの受け渡しなど移動が多いため、基本的に作業は立って行うのだとか。腰を据えて仕事をする専門の職人とは対照的だ。
バリを落としたテンプル。ちゃんと光るのはもう少し先。
「デザインは平面図。その余白を頭の中で埋めて、曲線を想像して、立体にするのが仕事です。経験が必要?そうかもしれません。17歳からメガネをやっているので」
メガネはいかにして作られるか。紙に描かれたデザインがもとになるのはわかる。ベースとなるのは上からと前から、そして左右からの図面。では斜めからはどうか。前からの曲線は左右へどうつながっていくか。実はデザインを描いた本人ですら、明確にわかっていないことも多い。あるいは、前と左右がうまくつながっていかないことすらある。つまり、設計上の空白を埋めなければ、金型を作ることもできない。だから、この小さな工房がある。デザインをもとにプロトタイプを作る職人がここにいる。EYEVANの形もここで定められた。
組み立てが進むメガネの形になってからも、検品を経て出荷されるまでに、さらにいくつかの工程がある。クオリティを維持するために、どれも欠かすことができない。
素材となるのは試作用の柔らかい金属板。パーツを切り出し、指先で曲げながら、図面にある形とない形を想像でつなげていく。必要があれば、図面上で三次元にカーブするパーツを、頭の中で平面に展開してから切り出すこともある。立体のメガネとしての佇まいは、はっきり言って、ここで決まる。手がける職人によって、印象ががらりと変わるというから恐ろしい。洋装の世界でいえばパタンナー。知識、経験、技術、感性が問われる。その重責をひとりで担う。35歳と聞くと若く感じるかもしれないが、20年近く培った「メガネをやっている」経験がある。地金は鍛えられている。
EYEVANのメガネ。鯖江だからこそ作ることができた。
およそ100年前に増永五左衛門によって大阪よりもたらされた鯖江のメガネ作り。農閑期の副業としてスタートしながら、独自の工夫と研鑽を積んで今がある。高い技術と豊かな背景とたくさんの職人たちが集積する街となっているのは、おわかりいただけたはずだ。
EYEVANという、ひときわ繊細でときに複雑な仕事を求められるメガネには、そのほかにメッキ加工の職人や、文様を手彫りで入れる彫金の職人(現在ではただひとりになってしまったという)など、さまざまな技術や手仕事が宿っている。まるで鯖江の街そのもののような、というは言い過ぎだろうか。少なくとも、その歴史を受け継ぎ、さらに更新するメガネであるとはいえるはずなのだが。
EYEVAN
CAPSULE COLLECTION
80年代のアイコニックなプロダクトを復刻したコレクション
BRAND : EYEVAN
MODEL : E-0505
SIZE : 47□25-145
COLOR : BK/G・BK/S・DM/G・DTB/AG・BECR/G
PRICE : ¥33,000+tax
made in Japan
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(※写真では実際のカラーリングと異なって見えることがありますのでご注意ください。)
EYEVANを代表するモデルであり、発表後、多くのブランドのデザインソースとなったアイコニックなスタイル。
ボストンシェイプのプラスチックリムを、マンレイブリッジと特徴的なデザインのヨロイパーツで構成したコンビネーションフレームです。
ブリッジ、ヨロイ、テンプルなどの金属パーツは、元のデザインに忠実に型から作り直し、軽さと強度に優れるチタン製にアップグレードされています。
特注のオリジナル生地である美しい鼈甲柄を中心とした懐かしみのあるオーセンティックなフレームカラー展開に、サングラスはイタリア製の最高級ガラスレンズを使用しています。
BRAND : EYEVAN
MODEL : E-0505-SG
SIZE : 47□25-145
COLOR : BK/G・BK/S・DM/G・DTB/AG・BECR/G
PRICE : ¥38,000+tax
made in Japan
在庫数などご質問は、ブランド名・モデル名などをご記入の上、お気軽にメールまたは電話にてお問合せください。
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(※写真では実際のカラーリングと異なって見えることがありますのでご注意ください。)
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BRAND : EYEVAN
MODEL : E-0501
SIZE : 48□22-145
COLOR : BK/G・BK/S・DM/G・DTB/AG・BECR/G
PRICE : ¥34,000+tax
made in Japan
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(※写真では実際のカラーリングと異なって見えることがありますのでご注意ください。)
当時のデザインをもとにアセテート枠をメタルリムで巻き込むソフト枠と言われる手法で再現。
ブリッジ、ヨロイ、テンプル芯などの金属パーツは、元のデザインに忠実に型から作り直し、軽さと強度に優れるチタン製にアップグレードされています。
特注のオリジナル生地である美しい鼈甲柄を中心とした懐かしみのあるオーセンティックなフレームカラー展開に、サングラスはイタリア製の最高級ガラスレンズを使用しています。
BRAND : EYEVAN
MODEL : E-0501-SG
SIZE : 48□22-145
COLOR : BK/G・BK/S・DM/G・DTB/AG・BECR/G
PRICE : ¥39,000+tax
made in Japan
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(※写真では実際のカラーリングと異なって見えることがありますのでご注意ください。)
BRAND : EYEVAN
MODEL : E-0020
SIZE : 47□21-145
COLOR : G・S・AG・P
PRICE : ¥29,000+tax
made in Japan
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(※写真では実際のカラーリングと異なって見えることがありますのでご注意ください。)
マンレイブリッジとテンプルに、特徴的なドラゴンモチーフの彫金が施されたボストンシェイプのメタルフレーム。
ブリッジ、ヨロイ、テンプルなどの金属パーツは、元のデザインに忠実に型から作り直し、軽さと強度に優れるチタン製にアップグレードされています。
特注のオリジナル生地である美しい鼈甲柄を中心としたオーセンティックなフレームカラー展開。
サングラスはイタリア製の最高級ガラスレンズを使用しています。
BRAND : EYEVAN
MODEL : E-0020-SG
SIZE : 47□21-145
COLOR : G・S・AG・P
PRICE : ¥34,000+tax
made in Japan
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(※写真では実際のカラーリングと異なって見えることがありますのでご注意ください。)
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BRAND : EYEVAN
MODEL : E-0951
SIZE : 47□25-145
COLOR : BK/S・MBK/BG・DM/AG・AMT/P・OLV/BC
PRICE : ¥33,000+tax
made in Japan
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(※写真では実際のカラーリングと異なって見えることがありますのでご注意ください。)
ブロウラインを強調した特徴的なボストンシェイプのコンビネーションフレーム。
マンレイブリッジはマイナスネジで固定し、ヨロイパーツはマイナスネジとカシメPINで固定するというオリジナリティ溢れる構造になっています。
ブリッジ、ヨロイ、テンプルなどの金属パーツは、元のデザインに忠実に型から作り直し、軽さと強度に優れるチタン製にアップグレードされています。
特注のオリジナル生地である美しい鼈甲柄を中心とした懐かしみのあるオーセンティックなフレームカラー展開に、サングラスはイタリア製の最高級ガラスレンズを使用しています。
BRAND : EYEVAN
MODEL : E-0951-SG
SIZE : 47□21-145
COLOR : BK/S・MBK/BG・DM/AG・AMT/P・OLV/BC
PRICE : ¥38,000+tax
made in Japan
在庫数などご質問は、ブランド名・モデル名などをご記入の上、お気軽にメールまたは電話にてお問合せください。
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(※写真では実際のカラーリングと異なって見えることがありますのでご注意ください。)
BRAND : EYEVAN
MODEL : E-0504
SIZE : 48□21-145
COLOR : BK/G・BK/S・DM/AG・BR/G・BEW/S
PRICE : ¥33,000+tax
made in Japan
在庫数などご質問は、ブランド名・モデル名などをご記入の上、お気軽にメールまたは電話にてお問合せください。
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(※写真では実際のカラーリングと異なって見えることがありますのでご注意ください。)
ボストンシェイプのチタン製リムに、職人が1本1本手作業で七宝を施した繊細で美しいデザイン。
ブリッジ、ヨロイ、テンプル芯などの金属パーツは、元のデザインに忠実に型から作り直し、軽さと強度に優れるチタン製にアップグレードされています。
特注のオリジナル生地である美しい鼈甲柄を中心とした懐かしみのあるオーセンティックなフレームカラー展開に、サングラスはイタリア製の最高級ガラスレンズを使用しています。
BRAND : EYEVAN
MODEL : E-0504-SG
SIZE : 47□21-145
COLOR : BK/G・BK/S・DM/AG・BR/G・BEW/S
PRICE : ¥38,000+tax
made in Japan
在庫数などご質問は、ブランド名・モデル名などをご記入の上、お気軽にメールまたは電話にてお問合せください。
お問合せフォームはこちら
(※写真では実際のカラーリングと異なって見えることがありますのでご注意ください。)
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BRAND : EYEVAN
MODEL : E-0507
SIZE : 48□24-145
COLOR : BK/G・DM/G・COCO/AG・BECR/G・362/P
PRICE : ¥33,000+tax
made in Japan
在庫数などご質問は、ブランド名・モデル名などをご記入の上、お気軽にメールまたは電話にてお問合せください。
お問合せフォームはこちら
(※写真では実際のカラーリングと異なって見えることがありますのでご注意ください。)
ラウンドシェイプのプラスチックリムを、マンレイブリッジと特徴的なデザインのヨロイパーツで構成したコンビネーションフレーム。
ブリッジ、ヨロイ、テンプルなどの金属パーツは、元のデザインに忠実に型から作り直し、軽さと強度に優れるチタン製にアップグレードされています。
特注のオリジナル生地である美しい鼈甲柄を中心とした懐かしみのあるオーセンティックなフレームカラー展開に、サングラスはイタリア製の最高級ガラスレンズを使用しています。
BRAND : EYEVAN
MODEL : E-0507-SG
SIZE : 48□24-145
COLOR : BK/G・DM/G・COCO/AG・BECR/G・362/P
PRICE : ¥38,000+tax
made in Japan
在庫数などご質問は、ブランド名・モデル名などをご記入の上、お気軽にメールまたは電話にてお問合せください。
お問合せフォームはこちら
(※写真では実際のカラーリングと異なって見えることがありますのでご注意ください。)
EYEVANのロゴをかたどったボックスを開けると、カプセルコレクションのプロダクトとメガネケース、カードが収められている。
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最後までお読みくださり誠にありがとうございました。
皆さまいかがでしたでしょうか?
ぜひこの機会にこれからのメガネ選び・サングラス選びのご参考にもしてみてくださいね。
当店はEYEVAN / アイヴァン製品を安心して購入できる正規取扱店です。
度無しレンズの入れ替え・交換や度付きレンズ、遠近両用レンズなど累進レンズにも対応いたしております。
皆さまお気軽にお立ち寄りくださいませ。
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